モンシロチョウの卵はどこにあるのでしょうか?エサや育て方、寿命、時期は?
長女のクラスには、昆虫博士のような聡明な男子がいます。どうやら、その子が、モンシロチョウを卵から育てている様子。
その話を聞いた長女、モンシロチョウについて知りたくなったようです。
「私も、モンシロチョウを卵から育ててみたい!」というのは時間の問題。
いつ言われても良いように、モンシロチョウについて調べてみました。
モンシロチョウの一生
モンシロチョウは卵→幼虫→蛹(サナギ)→成虫の順番で、脱皮をしながら成長する昆虫です。
私たちがよく知っている羽の生えたモンシロチョウは成虫です。幼虫は青虫と呼ばれます。
モンシロチョウの寿命は?
モンシロチョウの寿命は暖かい時期なら1ヶ月半から2か月程度になります。
サナギで冬を越す世代は、暖かくなるまで成虫になれないので、半年以上は生きることになります。
モンシロチョウは庭先や公園などでもよく見かけることができる身近なチョウです。暖かい時期がもちろん一番多いですが、冬を除けばモンシロチョウはその辺を飛んでいるイメージがありますよね。
卵から成虫になるまで順を追って、詳しく見てみましょう。
モンシロチョウの卵
モンシロチョウはキャベツやアブラナなどに卵を産みつけます。
モンシロチョウの卵の形や大きさ
形は縦に長い丸型で、大きさは1mm程度です。よーく見ると、形はラグビーボールやトウモロコシに似ているでしょうか…。
産卵したばかりは薄い白い色をしていますが、次第にオレンジ色が濃くなっていって、1週間ほどで卵から幼虫が生まれてきます。卵から幼虫がかえることを「孵化(ふか)」と言います。
モンシロチョウの卵が見つかる場所は?
モンシロチョウはキャベツ畑に特に多く産卵します。
卵はキャベツの葉の裏側に1個ずつ産みつけられます。産卵の時期になると葉っぱをひっくり返すと簡単に見つかるそうです。卵は乾燥に弱いので直射日光が当たるようなところにはないそうです。
キャベツの他には、アブラナ、ダイコン、菜の花、ブロッコリー、小松菜などにも産卵します。
モンシロチョウがたくさん飛んでいる場所は卵が見つかる可能性も高くなるでしょう。
もし葉っぱに穴の開いたキャベツやアブラナがあるなら、幼虫が食べた跡かもしれません。幼虫がいるなら卵も見つかるかもしれませんね。
モンシロチョウの卵が見つかる時期は?
モンシロチョウの産卵は春から初夏にかけて一番多くなります。真夏の8月には少なくなり、秋口にまた増えるそうです。
関東かもっと南の暖かい地方では年に4~5回発生するといわれます。
モンシロチョウの卵は1個ずつ
モンシロチョウは卵を1個ずつ離れて産みつける特徴があります。
別の種類のチョウやガの中には、一か所にたくさんの卵をびっしりとまとめて産む種類もいるそうです。もし、そういう卵を見つけたらそれはモンシロチョウとは別の種類の虫です。
モンシロチョウの幼虫青虫
モンシロチョウの幼虫は黄緑色の芋虫で、一般的には「青虫」の名でよく知られています。
モンシロチョウの幼虫の特徴は?
青虫と呼ばれる通り、全身は黄緑色をしています。この色って、キャベツの葉っぱのような色ですね。
青虫はよくみると短い毛がところどころに生えています。でも、遠目では気付かないくらいです。
青虫は頭は丸っこく、全体的にふにっと丸い感じです。体はひょろっと細くもなく、太く短くもない感じちょうどいい長さ…かな?(私の個人的なイメージですみません…。)
モンシロチョウの幼虫を見分けるには?
青虫と、違う芋虫の見分け方を個人的にまとめてみました。
しましま模様や斑点模様、どぎつい色合いの芋虫はモンシロチョウの幼虫ではありません。体のどこかがとがっていたり、節がもこもこ分かれていたりもしません。とげとげや長い毛は生えていません。
モンシロチョウの幼虫の食べ物は?
モンシロチョウの食べ物はキャベツやアブラナなどの葉っぱです。
モンシロチョウがキャベツに産卵する理由は、キャベツ自体が幼虫の食べ物だっかからなんですね。
モンシロチョウはキャベツやアブラナ、ダイコン、菜の花、ブロッコリー、小松菜などに産卵しますが、青虫はそれらの植物の葉っぱをむしゃむしゃ食べてしまいます。だから、農家では野菜の葉を食い荒らす害虫とされています。
モンシロチョウの幼虫の脱皮は何回?
卵からかえったばかりの幼虫は黄色で卵と同じ1㎜くらいの大きさです。
葉っぱを食べて成長すると体は黄緑色になり、脱皮をするたびに体は大きくなっていきます。脱皮を合計4回繰り返して最終的には4cmくらいの大きさまで成長していきます。
こうして2週間ほどかけて十分な大きさまで育つと、幼虫がサナギになる準備がととのったサインです。
モンシロチョウのサナギ
成長した幼虫は、しっかりした茎や壁、枝などに体を固定して、脱皮してサナギになります。ちなみに、幼虫がサナギ(蛹)になることを「蛹化(ようか)」と呼びます。
モンシロチョウのサナギは、幼虫と同じ黄緑色をしています。固定されたまま移動することはできず、じっと成虫になる準備をしています。
暖かい時期にサナギになると1週間程度で成虫になります。
サナギになったのが秋の終わりの寒い時期になってしまったら、サナギのまま寒さを耐えて冬を越します。そして次の年、暖かくなってきたら成虫になります。
モンシロチョウはマユを作らない
サナギになるとき、チョウやガの仲間には「マユ」を作る種類もいます。カイコが有名ですよね。
でも、モンシロチョウはマユを作りません。
もし育てていた青虫がマユを作ってサナギになったなら、似ている別の虫だったことになります。例えば、「コナガ」というガの仲間もマユを作りますが、その幼虫は、モンシロチョウの幼虫によく似た黄緑色の芋虫です。キャベツを食べて育つので見間違うことがあるそうです。
モンシロチョウの成虫
サナギが脱皮すると、羽の生えた成虫のチョウになります。私たちにおなじみの姿ですね。
サナギの脱皮は「羽化(うか)」と呼びます。羽化は朝方に行われます。
モンシロチョウの成虫の特徴
モンシロチョウは白い羽を持ち、白い体をしています。羽の先の方が黒っぽい灰色をしています。また、前の羽の真ん中には2つの黒っぽい点があります。
モンシロチョウの名前の由来
モンシロチョウという名前は、羽の黒い点を家紋(かもん)に見立てて名付けられたものです。つまり、「紋を持つ白いチョウ」で「モンシロチョウ」ということですね。
モンシロチョウの成虫の大きさ
チョウの成虫の大きさは前翅長(ぜんしちょう)で表します。4枚ある羽のうち、前の羽の根元から先までの長さのことです。
モンシロチョウの前翅長はおよそ3cmです。
ちなみに、なぜ前翅長なのかというと…。チョウの羽を広げた全体の長さや幅を図ろうとしても、羽の開き具合で変わってしまうため、羽の長さを比べることにしたのだそうです。
モンシロチョウの成虫が見られる時期は?
成虫は3月ごろから10月ごろまで見ることができるでしょう。成虫の寿命は2~3週間くらいで、その間に交尾と産卵を行います。
成虫は花の蜜を吸うので庭や公園の花壇にもよく飛んできます。また、産卵するためにキャベツ畑にはたくさんやってきます。
1年のうち冬の寒い期間を除いて、ほんとに長い期間飛んでいる姿を見られるのですね。なるほど、モンシロチョウを身近に感じる理由がわかる気がします。
モンシロチョウの育て方
モンシロチョウの一生を知らべるうちに、卵から育てるために必要なことが色々と分かりました。
モンシロチョウはデリケート
まず最初に注意することがあります。モンシロチョウは小さくて柔らかい生き物です。
モンシロチョウの卵やサナギはとてもデリケートなので指で触ったり、いじったりしないでください。
幼虫も強くつまんだりしてはいけません。幼虫はなるべく触れないようにして、必要ならやわらかい筆などでそっと動かすようにしてください。
モンシロチョウの卵を手に入れる
モンシロチョウは春から秋にかけてキャベツ畑にたくさん産卵します。キャベツ農家や家庭菜園をしている方に事情を説明して、卵のついている葉っぱを分けてもらいましょう。
モンシロチョウが卵からかえるまで
卵は乾燥が苦手です。飼育ケースには、水を含ませた脱脂綿などと一緒に入れて乾燥を防いでください。また、卵のついている葉っぱもしおれたり、枯れたりしないように、切り口を水に浸すとか、濡らした脱脂綿やティッシュで覆ってください。
暖かい時期なら1週間くらいで幼虫になります。
モンシロチョウが幼虫になったら
幼虫はキャベツやアブラナ、小松菜、菜の花などの葉っぱを食べます。農薬がついているとよくないので、水で洗うとか内側の葉っぱを食べさせるとよいそうです。
葉っぱがしおれないように、水の入ったビンにさしておくとか、切り口を濡らした脱脂綿やティッシュで覆ってください。
幼虫は水分が必要ですが、水で濡らした脱脂綿や水を含ませたティッシュをおいておけば大丈夫のようです。
幼虫の糞は小まめに掃除。エサの葉っぱが減ってきたら新しいものと交換しましょう。
幼虫は2週間くらいでサナギになります。
モンシロチョウがサナギになる
サナギになるための場所を作っておきましょう。割りばしとか枝を、しっかり固定して立てておいておくとよさそうです。また、ビンにさしたエサの葉っぱの上でもサナギになることもあるようです。
サナギは1週間くらいで成虫になります。
モンシロチョウが成虫になったら
成虫は花の蜜を吸います。エサとして脱脂綿に砂糖水を浸して与えれば、飼育することも可能です。また、空を飛ぶので広い場所で飼育した方がよさそうです。
成虫の飼育はちょっとむずかしそうです。もし我が家で卵から成虫にまで育てられたら、広い外に逃がしてあげたいですね…。
モンシロチョウの卵、エサ、育て方、寿命、時期は? まとめ
さて、モンシロチョウの一生と、飼い方をしっかり予習することができました。
卵を取ってくれば、キャベツなどを与えて1ヶ月くらいで成虫まで育てることができそうです。
もう子供たちがモンシロチョウを飼いたいと言い出しても大丈夫です。…ただし、うちの周りは住宅街なのでキャベツ畑が近くにはないことがちょっと心配ですけれど…。
★おまけ 『はらぺこあおむし』★
我が家の姉妹もそうですが、幼児や小学低学年の子は、『はらぺこあおむし』が大好きです!
幼稚園時代、何度も『はらぺこあおむし』を読み聞かせしてもらいましたし、家でも、絵本を読んだり、YouTubeで動画を見たりしています。『はらぺこあおむし』の歌バージョンも良いですよね。私も好きです。
あと、何年か前には、『はらぺこあおむし』とハローキティのコラボ商品が出て、いくつかグッズも買いました。
子供たちは、『はらぺこあおむし』を見て、あおむしが蝶になるんだ! じゃあ、育ててみたい!となる可能性がありますよ。