小学生の痔ろうとは?
小学生の痔ろうとはどんな症状でしょうか?
痔ろうは、別名、あな痔や蓮痔とも言われます。
また、痔ろうの前段階として、激痛が伴うこともある肛門周囲膿瘍があります。
では、痔ろうについて詳しく見ていきましょう。
この記事に書いてあること
小学生が痔ろうになるメカニズム
通常、痔ろうは主に下痢便が原因で発症します。
肛門には歯状線になっている肛門小窩(こうもんしょうか)という上向きのポケットがあり、そこに下痢便となった細かい便が入り込むことで、大腸菌などの細菌が侵入して炎症を起こしてしまうのです。
この炎症により膿がたまった状態を「肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)」と言います。
普通の便であれば、この肛門小窩に便が入り込むことはありません。
そして、下痢便以外でも、直腸性便秘や異物によっても、肛門周囲膿瘍は発症します。直腸に便が詰まった状態でいきむことにより、肛門小窩に便が入り込みやすくなります。
また、魚の骨などを誤飲してしまった場合、消化されずに便として排泄される前に、肛門小窩に突き刺さり、炎症を起こし、化膿してしまうこともあります。
肛門周囲膿瘍となると・・・
肛門周囲嚢種になると次のような症状が出てきます。
・座れないほどの痛み
・白い膿が出てくる
・発熱する
・パンツが膿や血で汚れる
などの症状が出てきます。
また、肛門周囲膿瘍の膿は放出されるために瘻管(ろうかん)という管を作っていきます。この管が貫通したトンネルのようなものが、痔ろうとなるのです。
肛門周囲膿瘍の治療法
肛門周囲膿瘍は、切開し、このたまった膿を出すことで痛みを和らげることができます。
膿を出すことでそれまであった激痛が和らぐために、完治したと思いがちですが、瘻管が出来上がっていれば痔ろうとなっていますので、肛門周囲膿瘍が再発する可能性が高いです。
通常、肛門周囲膿瘍の膿を切開で出した後、瘻管ができあがり、痔ろうとなるため、その後症状が落ち着いた頃に手術をすすめられます。
下痢で肛門周囲膿瘍になることも
また、下痢以外でも肛門周囲膿瘍を起こすことがあります。
それは、直腸性便秘です。
直腸に便がたどり着き便意をもようしているのにもかかわらず、便意を我慢してしまうことで、徐々に便意を感じなくなり、便秘となってしまうのです。
この直腸性便秘の場合は、大腸に便がたまるのではなく、直腸にたまります。直腸にたまった便は、どんどん水分が吸収され、固くなっていきます。太く硬くなった便を排泄しようと、力強くいきむと、肛門小窩に便が入り込んでしまうことがあるのです。
そのために、便秘でも肛門周囲膿瘍を引き起こしてしまうのです。
小学生には直腸性便秘が多い
小学生の場合、この直腸性便秘で悩む子が非常に多くいます。
直腸性便秘が多いために、痔ろうにもなりやすくなってしまうのです。
そのため、直腸性便秘の原因となることを改善することが先決です。でなければ、痔ろうは悪化し、複雑化してしまい、治療がどんどん難化してしまいます。
小学生が痔ろうとなる原因は?
小学生が痔ろうとなる主な原因は、直腸性便秘です。そして、下痢が原因となることもあります。
普通の便であれば痔ろうとなることは少ないですが、まれに、肛門小窩が大きく便が入りやすかったり、日頃から力強くいきんで排泄していると、肛門周囲膿瘍を起こしやすいようです。
また、肛門小窩に便が入り込んで細菌感染し化膿してしまうことが問題ですから、一度の下痢で発症してしまうこともあります。
それから、ひどい便秘を解消するために、便秘薬を使用し下痢になり、肛門周囲膿瘍になってしまうこともあります。
※クローン病が原因であることも
痔ろうや肛門周囲膿瘍を引き起こす原因の一つに、クローン病があります。その場合は、一般的な痔ろうや肛門周囲膿瘍とは症状も異なり、経験豊富な専門医の診察が重要となります。
クローン病の診断が出る前に何年も辛い思いをし続ける患者さんも多いそうなので、通院していても症状が改善されない場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。
「肛門科」の診察項目を掲げていても、肛門科専門の医師でないことも多いそうなので、必ず口コミや前評判をチェックして、医師を選ぶことが大切です。
小学生の痔ろうとなったらどうすればいい?
肛門周囲膿瘍の状態の時に切開し、膿を出し切れば、痔ろうにまで悪化しないこともあります。ですので、肛門付近にブツブツができたり、痛みを感じた場合には、早めに受診をしましょう。
小学生の痔ろうは何科に行くの?
痔の治療であれば、赤ちゃんでも、小学生でも、大人でも、肛門科です。肛門科であれば、より専門的な治療が受けられますし、早期治療で悪化を防ぐことも可能かもしれません。
ただ、初めから痔ろうと判断をして、受診できるかというと分かりませんので、まずは小児科の受診でも良いと思います。便秘や下痢での受診も同様です。症状がひどければ、専門医を紹介してくれるはずです。
必ず、専門医を受診する
そして一つ注意点としては、診療項目に肛門科を掲げていても、専門医ではないことも多いそうです。内科などと一緒に肛門科を掲げている場合、肛門自体の診察もせずに、下剤や軟膏などを処方して終わることもあるようです。
その場合、正しい治療法とは言えませんし、痔ろうの悪化にもつながってしまいます。肛門科にかかる場合は、必ず専門医にかかるようにしましょう。
痔ろうは放置しても大丈夫?
痔ろうとなってしまった場合、「痔ろうは完治するには手術するしかない」と言われています。ただ、小学生以下で手術をすすめるのは少数だそうです。
また痔ろうは緊急性のある手術でないことが多いです。肛門周囲膿瘍になって切開し膿を出し切れば一旦症状が治まるものの、瘻管がある限り再発しやすく、完治はしていないのです。そのため、痔ろう自体を完治させるには手術をしないといけない、ということです。
そのため、放置している間に、また化膿を起したり、瘻管が新たにできていったりする可能性はあるのです。瘻管が複雑化していくと、手術もそれだけ大変になります。場合によっては、お尻が変形するほどの手術だったり、人工肛門になってしまうこともあるのです。
つまりは、手術を受けない間には、肛門周囲膿瘍の再発防止がとても重要となります。
便秘の解消が一番重要
小学生の場合は、便秘の解消、これが一番重要です。
小学生の時点で、痔ろうが悪化し複雑化してしまうと、子供にとって非常に辛いものとなってしまいます。そうならないよう、親がフォローしてあげることが大切です。
肛門周囲膿瘍の再発を防ぐには?
痔ろうにつながる肛門周囲膿瘍の再発を防ぐには、原因となる直腸性便秘や下痢にならないよう、改善することが大切です。
直腸性便秘にならないようするには?
小学生に多い直腸性便秘にならないようにするには、第一に、「便意の我慢を止める」ことです。小学生は、学校内のトイレでうんちをしたくない、とほとんどの子が思っています。それが、便意を我慢することとなり、直腸性便秘を引き起こしてしまうのです。
とはいっても、「学校で便意が起きた時に、気にせずに、トイレに行ってうんちをしなさい!」と親が子に言うのは簡単でも、子供にとってはそれほど容易なことではありません。子供によっては、学校のトイレで排便することが、死ぬほど嫌なことだったりもするのです。
そのため、学校に行っている間に便意の心配をせずに済むようにしてあげるのが一番です。登校前に朝のうちに、排便を済ませる習慣をつけるようにしましょう。
そして、スムーズに排便ができるように、腸内環境を整えてあげることが大切です。腸内の善玉菌が少なく、悪玉菌が優勢になっていれば、便秘にもなりやすくなります。ですので、腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整える必要があるのです。
痔ろうの原因となる便秘になりにくくするおすすめの方法
便秘改善のための方法としては、腸内環境を整えてあげることが重要です。その方法としては、善玉菌となる乳酸菌を直接摂って増やす方法と、善玉菌(ビフィズス菌)のエサとなるオリゴ糖を摂ってもともと腸内にある善玉菌を増やす方法があります。
とっておきのおすすめの方法は、「オリジナルケフィア」に「カイテキオリゴ」をかけて食べるなど、乳酸菌とオリゴ糖を組み合わせて摂ることです。乳酸菌とビフィズス菌を同時に増やすことで、いち早く便秘解消に力を発揮するのです!
善玉菌優勢の腸内環境が整うと、良いことばかり!
腸内環境が悪化すると起きること…
・風邪やインフルエンザにかかりやすくなる
・アトピー性皮膚炎の症状が出やすくなる
・肌荒れやニキビができる
・花粉症になりやすくなる
・高血圧を引き起こしやすくなる
・大腸がんになりやすくなる
といろいろな症状が出ます。
つまりは、腸内環境を整えることで、これらのトラブルを改善・抑制できるのです!
腸内環境を整えれば、肛門周囲膿瘍や痔ろうの原因となる便秘や下痢になりにくくなりますし、免疫力が高まって細菌感染(化膿)する可能性が低くなるのです。
痔ろうの原因となる下痢になりにくくするには?
そして、痔ろうの原因の一つ、下痢になりにくくするには、どうしたら良いのでしょうか?
下痢を引き起こす原因は幅広くあります。
・食べ過ぎ
・辛いものを食べた時
・牛乳を飲んだ時(乳糖不耐症)
・食中毒
・冷えた時
・風邪やウイルス感染によるもの
・ストレス
など
つまりは、このように下痢の原因となることを避けるのが良いわけですが、下痢になりにくくする予防も大切です。
それは、腸内環境を整えることです。
腸内環境を整えれば下痢になりにくくなる
便秘と一緒で、腸内環境を整えることで、下痢になりにくくなります。
また、善玉菌を増やして腸内環境を整えると、免疫力が高まり、風邪やウイルスに感染しにくくなったり、多少のストレスを受けても下痢になりにくくなったりします。
そのためには、やはり、腸内の善玉菌を増やしてあげることが重要で、善玉菌となる乳酸菌と善玉菌(ビフィズス菌)のエサとなるオリゴ糖の摂取が必須なのです。乳酸菌で直接善玉菌を増やしながら、エサとなるオリゴ糖を摂ってもともとの善玉菌を増やしていく、という2つの方法を両方行うことで、効率良く善玉菌を増やして腸内環境を整えることが可能となります。
小学生の痔ろうとはどういう症状? まとめ
小学生の痔ろうの原因は、直腸性便秘が多く、下痢や排泄の時の強いいきみでも引き起こします。
また、痔ろうになる前に、その前段階となる肛門周囲膿瘍を発症し、激痛やおできのようなブツブツ、発熱、膿が出る、血が出るなどの症状が出ます。肛門周囲膿瘍は切開し、膿を出すことが必要で、そうすることで一旦症状は治まります。
しかしながら、瘻管が貫通することで痔ろうとなり、痔ろうを完治させるには、手術するしか方法はないと言われています。 小学生の痔ろうの場合は、すぐに手術を勧められることは少ないようです。
ただ、瘻管があることで、肛門周囲膿瘍を再発したり、痔ろうを悪化させる可能性があるので、その原因となる直腸性便秘や下痢にならないようにすることが重要です。そのためには、腸内環境と整えて、便秘や下痢になりにくくすることが必要です。
便秘に悩む小学生は非常に多いです。将来的に痔ろうにならないためにも、便秘の解消をするようにしましょう。
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