ワラジムシとダンゴムシの違いは何でしょうか?餌や飼い方は同じなのでしょうか?
ワラジムシとダンゴムシの違いはよく似ている生き物ですが、どんな生き物なのでしょうか?
最近、ダンゴムシブーム到来中の下の娘。毎日のようにダンゴムシを庭や公園、幼稚園でたくさん捕まえてきます。
我が家では捕まえてきたダンゴムシを何匹か飼っているのですが、その中によく見ると平べったいものがいます。
「体は平たくて、丸まったりしないし、それに体を作る殻も柔らかそう…。
もしかしてダンゴムシの子どもでしょうか?」
私はこの前ダンゴムシの飼い方を調べた時のことをなんとなく思い出しました。
どうやら平べったいのはワラジムシのようです。たしかダンゴムシとワラジムシはよく似た仲間だけれど、違う生き物だったはず。でも詳しくは覚えていません…。
そこで今回は、ワラジムシとダンゴムシはどういう生き物なのか、その違いはどこにあるのか?そして、ワラジムシの飼い方や餌はダンゴムシと一緒で大丈夫なのか?調べることにしました。
この記事に書いてあること
ワラジムシとダンゴムシの分類は?
ワラジムシとダンゴムシは、甲殻類の仲間で同じワラジムシ目(等脚目)に属する生き物です。ワラジムシはワラジムシ科、ダンゴムシはオカダンゴムシ科です。とても近い種類の生き物です。
ワラジムシ目の特徴
ワラジムシ目(ワラジムシもく)は甲殻類の中でも、最も多様な種類がいると言われているそうです。ワラジムシやダンゴムシのように陸上生活をするものもいれば、水中で暮らす種類もいます。
例えば、浜辺にいるフナムシ、海中に住むダイオウグソクムシ、鯛などの口の中に寄生するウオノエやタイノエも、ワラジムシ目の仲間です。
姿かたちは私たちに身近なダンゴムシとけっこう似ているところが多くて、体は殻で覆われていて同じような節に分かれています。足は7対14本。触覚と複眼を持ちます。
大きさはダンゴムシやワラジムシのように1~1.5cmくらいのものもいれば、最大50cm(!?)にもなるというダイオウグソクムシまで色々です。
ワラジムシとダンゴムシは昆虫じゃない
ワラジムシとダンゴムシは名前に「ムシ」と付いていますが「昆虫」ではありません。よくある勘違いですが、「虫」とは「人やけもの、鳥、魚以外の小動物の総称」なので、「虫=昆虫」ではないのです。
大雑把に外見の特徴を抜き出してまとめると…
ワラジムシ目(ワラジムシとダンゴムシ)の外見:頭・胸・腹の3つの部位があるが同じような節が並んでいる(ちょっと見分けにくい)。足14本。羽はありません。
昆虫とはかなり違う外見の生き物なのがよく分かりますね。
ワラジムシとダンゴムシの共通点
ワラジムシとダンゴムシの共通点を探すと色々な部分が一緒です。ワラジムシ目でもワラジムシ科とオカダンゴムシ科はかなり近い仲間なのだと実感できます。
大きさは1cm~1.5cmくらいで、灰色っぽい体色をしています(他に、外見上に大きな違いがありますが、それは後でまとめてあります)。
家の周りの石の下や草の中でよく見つけられます。ワラジムシとダンゴムシが同じ場所で一緒に見つかることも良くあります。
主な餌は落ち葉ですが、野菜の芽なども食べます。雑食性なので肉や魚なども食べることができます。カルシウムを取るためにコンクリートをかじったりもします。
卵はメスの体の下側にある袋に産みつけられます。メスは卵がかえるまで抱えたまま暮らします。
卵からかえると親そっくりの小さな子供(幼生)が袋の外に出てきます。幼生は何度も脱皮をして大人へと成長します。
ワラジムシとダンゴムシの違い
共通点の多いワラジムシとダンゴムシですが、今度は逆に、違う部分はどこなのかを見てみましょう。
ワラジムシの特徴
ワラジムシは体は平べったく。お尻の先にはダンゴムシよりはっきりした1対の突起があります。
丸まることはできませんがダンゴムシより速く移動できます。石を持ち上げたとき、ワラジムシの方がダンゴムシより先に逃げ切れるということです。
体色は灰色ですが、ダンゴムシより茶色が濃くなることがあるようです。
草鞋(わらじ)のような形なので「ワラジムシ」と呼ばれるようになった虫です。
ダンゴムシの特徴
ダンゴムシは丸っこい体で厚みがあります。色はワラジムシより青っぽい灰色になる傾向があります。
殻はワラジムシにないツヤがあり、しっかりとした固さがあります。丸まって身を守ることができますが、ワラジムシほど早くは動けません。
名前の由来は、団子のように丸くなるから「ダンゴムシ」と命名されました。
ワラジムシの飼い方
ワラジムシとダンゴムシはほとんど同じ環境で同じエサを食べることが分かりました。飼育方法も同じで大丈夫です。
飼育ケースの底に湿らせた腐葉土などを敷き、その上に落ち葉を重ねます。落ち葉は隠れ場所にもなるし、餌にもなります。カルシウム源になる卵の殻もいれます。後は毎日、霧吹きで湿度を保つように注意します。
餌は落ち葉を勝手に食べるので、減ってきたら足すくらいでも問題ありません。それでは、ペットとしてつまらないというなら、キュウリや煮干しなども与えてみると食べてくれます。
詳しい飼い方や餌についてはダンゴムシの飼い方の記事をご覧ください。
ダンゴムシの餌はコンクリート!?飼い方は?いっぱいいる季節は?
ワラジムシとダンゴムシ一緒に飼って大丈夫?
ワラジムシとダンゴムシを一緒の飼育ケースで飼っても大丈夫なのでしょうか?
私の調べたところ、飼育のベテランの方でも意見が割れているように見えました。一緒に飼うとダンゴムシの方ばかりが増えるのでまぜて飼ってはいけないと言う方もいますし、その反対に、まぜて飼っても何の問題はないという方もいます。
ちなみに我が家では数匹程度ですが、ワラジムシもダンゴムシも区別せずに一緒のケースに入れて飼っています。飼い始めてそんなに経ってないし、飼育数が少ないからか、特に影響はないように思います(素人目に見てでスミマセン)。
慎重になるなら初めから別々にして飼うのがいいかもしれません。一緒でも別々でも、飼育する場合は餌をちゃんと食べているか、乾燥しすぎてないか、個体数が急に減ってないか、などよく状況を観察しながら飼うようにしましょう。
ワラジムシとダンゴムシは大人気ペット!?驚きの理由
今回と前回でワラジムシとダンゴムシの飼育法についていろいろと調べてきましたが、調べている時に驚いたことがあります。
実はワラジムシやダンゴムシの飼い主ってすごーく大勢いるらしいのです。というのは、詳しい飼育方法や色々なノウハウが、意外なほど簡単に、たくさん集めることができたのです。
さて、そんなにメジャーなペットなの?確かに餌を食べている様子とか、もじもじ動いたり、小さくてカワイイところもあるけれど…。
うちの娘のようにダンゴムシ・ブームな人がそんなに多くいるはずありませんし…。
ワラジムシとダンゴムシはペットの餌になる?
ワラジムシとダンゴムシが飼われている理由。…それは「ペットの餌にする」ためなのです。
トカゲやカエル、クモなどの生きて動いている餌しか食べないペットにとって、手ごろな餌になります。
飼育が簡単で放っておいても勝手に増えてくれるし、飼育ケースから飛んで逃げ出すこともなく、扱いが簡単。そんなところが好まれる理由なんですね。
ワラジムシとダンゴムシはどんな生き物?餌や飼い方は同じでいいの? まとめ
ワラジムシとダンゴムシは甲殻類のワラジムシ目の生き物です。フナムシやダイオウグソクムシ、ウオノエなどもワラジムシ目の仲間です。ちなみに、ムシという名前ですが昆虫ではありません。
ワラジムシとダンゴムシは大きさ、体の色、住んでいる場所や餌がほとんど一緒です。だから、捕まえた時に両方のムシがまざってしまうことがあるのですね。
ワラジムシはダンゴムシと違って、平たい体をしていて、丸まることはできません。ダンゴムシより体は柔らかくて、丸まって体を守ることができない分、いくぶん早く動くことができます。
ワラジムシはダンゴムシと同じ方法で飼うことができます。飼育ケースに腐葉土を敷いて、餌になり隠れ家にもなる落ち葉を重ねます。カルシウム源の卵の殻も入れます。湿度管理に気をつけましょう。
ワラジムシとダンゴムシは手軽に増やせて扱いやすい性質なのでペットの餌として飼育している人も大勢いるそうです。「餌の飼育なのに人気なんだ…。」と私はビックリしました。世界は広いですね…。とりあえず、ダンゴムシ好きの娘には餌にされることは内緒にしておくことにしました。