次女が通う国立幼稚園で、「実家の庭でたくさんカブトムシが捕れるんだけど、欲しい人いる?」とみんなに声をかけてくれたママさんがいました。
「ウチの姉妹は、残念ながらカブトムシには興味ないかな~?」と遠慮したのですが、家に帰ってきてから次女が「みんな、カブトムシが家にいるんだって。私も欲しい!」と言い出したのです。
えー!?
ビックリです。
早速、カブトムシを飼うことを前提に、カブトムシのエサと寿命について調べてみました!
この記事に書いてあること
カブトムシのエサは、スイカやキュウリで良いの?
自然のカブトムシはクヌギなどの樹液をなめて食べています。さすがに樹液を毎日用意するのは無理ですよね。
だから、カブトムシ用のエサとして、ペットショップやホームセンターなどで「昆虫のエサ用ゼリー」が売っていますね。
でも、ゼリーが売っていなかった私達の父や母の時代には、スイカや砂糖水をエサにしていたそうです。他にもキュウリをエサにあげる家もあったそうですが・・・ キュウリにカブトムシが必要な栄養があるのでしょうか?
身近な食べ物で飼えるなら楽なのですが。
カブトムシのエサは、スイカやキュウリで良いのか?見てみましょう。
スイカやキュウリをカブトムシにあげるのは昔の定番?
昆虫ゼリーがなかった時代にはスイカやキュウリをあげるのが普通だったそうです。
虫かごにカブトムシとスイカの切れ端を入れると、元気よくスイカにしがみついてなめ始めます。
なんだースイカがカブトムシの好物ならそれでいいじゃない?というと…違うようなのです。
スイカや砂糖水は?
実はスイカや砂糖水、メロンなどは栄養分に比べて水分が多いため、カブトムシのエサにふさわしくありません。
必要な栄養を摂取するためにスイカや砂糖水をすすってもすすっても水ばかり…食欲旺盛なカブトムシでもこれでは逆に疲れてしまいますね。しかも、夏場は果物が腐敗しやすいので、悪くなった果汁を食べさせてしまうのも良くないようです。
それに、水分を多くとればその分、排泄物(おしっこ)も多くなって大変なことになります。俗にいう「カブトムシの下痢」です。
キュウリ
もちろんカブトムシのエサとしては、キュウリもダメ。キュウリはほとんど水分なので、カブトムシが必要とする栄養が取れません。
蜂蜜は?
自然のカブトムシは木の樹液を食べて栄養を取っています。なら、樹液に似た甘い「蜂蜜」でも良さそうですが… 実は蜂蜜そのままも、カブトムシのエサには良くありません。
蜂蜜は糖分がかなり高くて粘度も高いため、カブトムシの体にくっつくと動きづらくなって体力を奪ってしまいます。
最悪なのは、口の周りで固まってしまうとエサを食べられなくなってしまうのです。カブトムシの口は、ブラシ状になっていて樹液などを吸いとって食べているのですが、濃い蜂蜜が固まってしまうと吸えなくなるのです(ペンキが渇いて固まって使えなくなったハケと同じです)。
適度に薄めて脱脂綿にしみ込ませれば蜂蜜もエサにできるようですが、カブトムシ初心者の私にはちょっと難しい。カブトムシがきちんと栄養が摂れているのか心配になってしまいますね。
バナナやリンゴなどの果物は?
水分が多くなく糖分があり栄養のあるバナナは、カブトムシのエサに適しているようです。手に入りやすいのも利点です。
ただし、バナナは悪くなりやすいので飼育ケース内が臭くなることと、コバエなどが寄ってきやすいことが心配です。
それに、食用旺盛で元気なカブトムシはバナナを食い散らかして周りを汚すこともよくあるそうです。小まめなエサの交換や飼育ケースの掃除、コバエ除けのシートを挟むなどの対策をすれば、ある程度抑えることができます(手間がかかりますけれど)。
リンゴも水分が少なく糖分のある果物なので、カブトムシのエサとしてあげても良い食べ物です。ただし、リンゴも悪くなる前に片付けるようにしないと臭いやコバエのもとになります。注意です。
カブトムシにスイカやキュウリをあげると下痢をする?
カブトムシは下痢をするとよくいわれます。飼育ケースに敷いたマットが何故かびしょびしょで悪臭を放ってくる…。原因はカブトムシの下痢ということだそうですが…。
本当でしょうか?
カブトムシは固いうんちをしない?
まず最初に、カブトムシの成虫は食べたものを消化して液状の排泄物を出します。カブトムシは固形の糞はしません。(ちなみに幼虫はころころした糞をします)
ざっくり簡単に言うと成虫は「うんち」はしないで「おしっこ」だけをするということでしょうか(あくまで例えですが、この記事では排泄物を「おしっこ」と書きます)。
この「おしっこ」の量が多くなると、まるでカブトムシが下痢だ!と言われることになるようです。
スイカやキュウリ、メロンなど…水分の多すぎるものはカブトムシのエサには適していません。
スイカやキュウリ、メロンなど水分が多いものを与えると、当然「おしっこ」をいっぱい出すようになります。
そうすると、飼育ケース内に多量の「おしっこ」がばらまかれて下に敷いたマットがびしょびしょに濡れてしまいます。これが悪臭の原因となったり、ダニやカビが発生したりする心配の種になってしまうのです。
もちろんカブトムシにも水分が必要ですが、水分が多すぎるエサは与え過ぎてはいけないのです。
カブトムシに与える昆虫ゼリーって何?
昆虫ゼリーはカブトムシやクワガタのエサとして売っているゼリー状の人工飼料です。
1個当たり16~18グラムくらいの量で小さなカップ入りで、1袋に50個くらいまとまって売られているのが普通のようです。
一口ゼリーのように、プラスティックのカップに小分けで封入されているので周りに飛び散りにくく、飼育ケースの汚れ防止の働きがあります。
フィルムの蓋をはがすか、カッターなどで蓋に切り込みを入れて、飼育ケースに置いておくとカブトムシが勝手に食べてくれます。ゼリーがなくなったり、古くなってきたりしたら新しいものと交換しましょう。
カブトムシのエサになる昆虫ゼリーの成分は?
カブトムシのエサになる昆虫ゼリーはトレハロースなどの糖分から作ったシロップを寒天などで固めたものです。糖分の主原料には、果汁を使ったものや黒糖を使ったものなどもあります。
高タンパクの昆虫ゼリーもあります。産卵期のメスはエネルギーをたくさん必要とするためか、高タンパク入りのエサを好むそうです。
カブトムシのエサになる昆虫ゼリーはいくらで買える?
50個入りのゼリーで500円しないのものから、1,000円を超えるものまで値段には幅があります。
果汁や動物性タンパク質、各種糖質、ビタミン、ミネラルなど配合した高タンパク昆虫ゼリーは値段も高めになります。
夏の時期にはホームセンターやペットショップで購入できるし、ネットショップでもいろいろな種類が売っているので便利です。
カブトムシの寿命は?
カブトムシの寿命はどれくらいなのでしょうか?
カブトムシをお世話をすると言っても、正直なところ、半永久的では困ってしまいます。
1~3ヶ月、幼虫期間を入れると12~15ヶ月?
成虫になったカブトムシの残りの寿命は1~3ヶ月です。交尾して産卵を終えた成虫は冬になる前に亡くなります。
マットの中に産卵された卵から幼虫がかえるとマットを食べて成長し、翌年の春に蛹になると、夏には成虫になります。カブトムシの一生は12~15ヶ月くらいといわれています。
カブトムシを長生きさせる方法は?
カブトムシは夜行性です。昼はじっとしていて枯葉の下に隠れたり、土の中にもぐったりしています。夜になると活発に動き出す習性を持っています。
だから、昼間にあまり運動させると弱ってしまうので寿命が縮んでしまいます。子供はカブトムシでどんどん遊びたいでしょうが、適度なところで区切ってあげましょう。
カブトムシには、水分の与え過ぎはいけません。高温多湿は避けて、マットが乾燥しないように霧吹きで適度な湿り気を保ちます。食べ残した餌は小まめに取り除いて清潔な環境を保ちましょう。
カブトムシの飼育環境、ケースの大きさ、木くずの量など
カブトムシの飼育環境やケースの大きさ、その他揃えたいもの、飼う時の注意などを書いておきます。
カブトムシの飼育ケースの大きさと飼える数
カブトムシの飼育ケースは大きいほどいいといわれています。ホームセンターで700円くらいの横330mm×縦190mm×高さ210mmサイズの水槽をすすめられました。もう少し小さいサイズでも飼えるとのことです。
1つのケースにはカブトムシ1匹ずつか、オスとメスのつがい1組だけというのが飼育の基本だそうです。
オスを複数一緒に飼うとエサやメスをめぐってケンカしやすいので、ケースにはオス2匹以上は入れないようにしてください。オス同士は闘争心旺盛で、頻繁にケンカをして体力を消耗して弱ってしまいます。
まれにケンカで体に穴が開いてしまうと、そこから病気になってしまうこともあるそうです。
マット
マットは飼育ケースの底に敷くものです。
ホームセンターやペットショップに売っているカブトムシ飼育用の「マット」を利用するのが手間がなくて安心です。園芸用の腐葉土(園芸コーナーにある殺虫剤が含まれていない腐葉土)も飼育マットに適しているそうです。
湿り気を持たせた(握っても水が出ない程度の)マットを飼育ケースの底に10cmほど敷きます。飼育しているとマットの表面が乾いてくるので、霧吹きして適度な湿り気を保つようにします。
止まり木
マットの上にカブトムシが掴まって休めるような切り株や木などを置いてください。こうした掴まる場所があると、転倒したまま衰弱死する危険性が減ることにもなるでしょう。
温度と湿度
カブトムシは高温多湿は苦手です。
直射日光が当たる場所や冷房の近くなどで飼育するのは避けましょう。
ディフェンスシート
新聞紙やビニールシートを、蓋と飼育ケースの間に挟むとコバエや小さな虫の侵入や乾燥を防ぐことができます。簡単な工夫で大きな効果が得られます。ディフェンスシートといいます。
夜は活発
カブトムシは夜行性なので夜になると活発に動き始めます。ケースの中で動き回って意外に音を立てることがあるので、ケースの置き場所には気をつけましょう。
マットの代わりにおがくずや腐葉土
ちなみに、売っているマットの代わりに「おがくず」や「腐葉土」でもよいみたいです。
ただ、たまたま製材所や木工店が近くにあって「おがくず」が分けてもらえるとか、カブトムシの住む雑木林がそばにあるので「腐葉土」はいつでも手に入るとか…そうでもない限り用意するのが大変です。
それに、庭や林から取ってきた腐葉土や土には他の小さな虫などがよく交じってくるので、部屋の中に持ってくるのはちょっと、と思う方もいるでしょう。
飼育用に作られたマットの方が必要な時に買い足せるし、何か別の成分が交じっていることもないし、虫が湧いたりする心配も少なそうです。
【おまけ】外国産のカブトムシ
外国産のカブトムシ類は、日本の種類とは適した環境が違いますから、温度や湿度の管理が必要になることがあります。
南国熱帯のカブトムシが温帯の国産カブトムシと一緒なわけはありませんものね。
種類によってカブトムシの飼い方が変わるようなのでペットショップなどで専門家のアドバイスをもらうのがいいでしょう。
カブトムシはスイカやキュウリがエサ?寿命は? まとめ
カブトムシのエサは、ホームセンターなどに売っている昆虫ゼリーがおすすめです。
一昔前は、スイカやキュウリなどをカブトムシのエサとして与えていましたが、今の時代では、昆虫ゼリーが一番ふさわしいようです。
また、カブトムシの寿命は、成虫になったカブトムシの残りの寿命は1~3ヶ月、幼虫期間を入れると12~15ヶ月です。
実際に、カブトムシを家で飼うとなると、1~3ヶ月、夏休みの間と思えば、私にもできそうです。
子供が興味を持ったものだからこそ、ママも頑張らないといけないのかもしれませんね!
我が家にも、元気なカブトムシが5匹もいます…。