カマキリはどこにいるのでしょうか?採集場所や時期は?
私が小さい頃は、カマキリなんてどこにでもいましたし、カマキリの卵を虫かごに入れて放っておいたら、いつの間にか幼虫が孵化(ふか)して大変なことになった、なんてこともありました。
でも最近は、我が家が住む地方都市でも、あまり見なくなったカマキリ。
夏休みに、子供たちに本物のカマキリを見せたいな、と思って、採集場所などを調べてみました。
カマキリどこにいる?
結論から言うと、カマキリのよくいる場所はエサが捕獲しやすいところです。
カマキリのエサは?何を食べる?
カマキリは肉食性の昆虫です。獲物となるのは自分よりも小さな虫ですが、より大型の虫やカエルなども食べることがあります。生きて動く生き物しかエサにしないそうです。
カマキリは基本的に、エサとなる生き物のいそうな場所でじっと「待ち伏せ」していて、近づいてきたところを、カマのような前足で素早く捕獲します。
つまり、「待ち伏せ場所」になるスポットが分かれば、カマキリを採集できそうです。
カマキリがエサを待ち伏せる場所はどこ?
カマキリが待ち伏せに選ぶ場所は、エサの多くやってくる捕まえやすい場所となります。
例えば、公園の草地や花の咲いた樹木、空き地の草むら、休耕田、田んぼの周辺、雑木林の草地などチョウやガ、バッタ、トンボなどがいそうな場所を探しましょう。
公園の花の周りや空き地のセイタカアワダチソウなどには、蜜を吸いに飛んでくる虫を待ち伏せるカマキリがいるでしょう。セミのよく来る木で待ち構えていたりもします。
夜の電灯に集まってくるガなどの虫を待ち構えていることもまれにあるそうです。
カマキリの成虫は初夏から秋にかけて、だいたい7~10月頃に見つけることができるようです。
カマキリの幼虫はどこにいる?
カマキリの幼虫は大きさが小さく羽がないことを除いて、成虫とほとんど同じ姿をしています。カマキリは卵→幼虫→成虫と何度も脱皮して成長します(サナギにはなりません)。
食べるエサも成虫と同じ生きた虫ですが、体が小さいのでエサの大きさも小型の虫に限られます。生まれたばかりは数mmしかなく貧弱なのでアブラムシなどを食べるそうです。
カマキリの幼虫はエサとなる虫が増えてきた春から夏頃まで見つけることができるそうです(だいたい5~8月くらい)。
どうやら、成虫のいそうな草むらや空き地には幼虫もいるということになりそうですね。
カマキリどこにいる?卵編
いわゆる「カマキリの卵」と呼ばれる茶色のかたまりは、正式には「卵鞘(らんしょう)」と呼びます。
「卵鞘(らんしょう)」の外側は固いスポンジ状で、細かい空気の泡に包まれた中には数百の卵が入っています。手に持ってみると、発泡スチロールのような軽さと質感であることが分かります。
カマキリの産卵時期と産卵場所
カマキリは10月ごろ産卵時期を迎えます。この時期になると卵を産むのに適した場所でも、カマキリの成虫を見つけることができるようになります。
カマキリの「卵鞘(らんしょう)」は、枯葉の裏や木の枝、ススキなどの草の茎、草むらの中、時には壁などにも産みつけられているようです。地面からの高さ50cm~250cmくらいに産みつけることが多いようです。
卵はそのまま冬を越します。そして次の年、暖かくなってエサの虫が増えた頃、幼虫が卵からかえります。
カマキリが雪の高さに産むのは本当なの?
昔から「カマキリが高いところに卵を産むとその年の雪は多くなる」という言い伝えがあり、カマキリは積雪量を予報できると信じられてきました。しかし、最近の研究で言い伝えが間違いであることが分かってきました。
この言い伝えは「卵鞘(らんしょう)」が雪に埋もれると卵が死んでしまうため埋もれない高さに産む、という説だったのですが、実際には雪に埋もれた「卵鞘(らんしょう)」でも問題なく幼虫がかえることができました。
それに、統計的にみて、雪よりも高い位置に産むとはいえないそうです。実際に雪に埋もれる「卵鞘(らんしょう)」も確認できるそうです。
カマキリの積雪量予報。ロマンのあるお話でしたがただの夢物語だったようですね…。
日本のカマキリの種類
カマキリは種類によって住む場所や産卵場所に好みがあるようです。
日本のカマキリの種類ごとに外見の特徴や大きさ、成虫がよくいる場所、「卵鞘(らんしょう)」がよく産みつけられる場所などをまとめました。
日本のカマキリの一般的な特徴
日本のカマキリは黄緑や茶色のものが多いです。種類で大きさは違っても、だいたい同じ外見をしています。カマキリはオスよりもメスの方が体が大きいことも特徴といえるでしょう。
日本でよく見られる種類
<オオカマキリ>
日本のカマキリの最大種です。体長はオス6.8~9.0cm、メス7.5~9.5cm。後ろ足の付け根部分が暗い紫色をしているのが特徴です。セイタカアワダチソウの茂みを探すと見つけやすいそうです。
卵鞘はやや角ばった丸い形で4cm程度の大きさをしていて、ススキの枯れた茎や枝などに多いそうです。
<カマキリ(チョウセンカマキリ)>
日本の普通のカマキリです。体長はオス6.5~8.0cm、メス7.0~9.0cm。大カマキリに似てますが1周り小さく、カマの付け根がオレンジ色をしています。草むらや田んぼにいるようです。
卵鞘はやや細長い形で4cm程度の大きさです。枯草や枝などを探してみましょう。
<コカマキリ>
小型のカマキリです。体長はオス3.6~5.5cm、メス4.6~6.3cm。茶色のものが多いですが、たまに緑色もいます。カマの内側に黒い模様があります。草むらなどの地面に近い低い位置に見かける種類です。
卵鞘は細長い形で2~3cm程度の大きさです。枝や枯葉、石、壁、狭い隙間など様々な場所に産卵するようです。
<ハバヒロカマキリ>
胸の長さが短く、腹が太く見える種類。体長はオス4.5~6.5cm、メス5.2~7.1cm。緑色が多いですが、まれに茶色もいるようです。木に住むことを好み、森や林の草地近くにいます。ハバヒロカマキリにはハリガネムシの寄生がひときわ多くみられます。
卵鞘は楕円形で2~3cm程度の大きさです。雑木林の木の幹などに産みつけられています。
世界のカマキリ
外国のカマキリも日本と同じで、黄緑や茶色で姿もだいたい同じ種類のものが一般的のようです。
しかし、世界には変わった色や形のカマキリもたくさんいます。例えば、ランの花にそっくりな形と色のハナカマキリや、枯れ枝や枯葉にそっくりな種類(カレエダカマキリ、カレハカマキリ)、金属のような光沢のケンランカマキリなどがいます。不思議ですね。
カマキリはどこにいる?採集場所と時期は? まとめ
カマキリは肉食の昆虫です。生きた小さな虫を待ち伏せして捕まえます。
エサの捕獲しやすい場所にカマキリはいます。チョウやガ、バッタなどの多い場所が狙い目です。例えば、公園の草地や花の咲いた樹木、空き地の草むら、休耕田、田んぼの周辺、雑木林の草地など。
公園の花壇や草むらの花、空き地のセイタカアワダチソウなどには、蜜を吸いにやってくる昆虫を待ち伏せているカマキリを見つけることができるでしょう。
カマキリの幼虫も成虫と同じような場所にいます。ただし、食べるエサは成虫より小さいものになります。
いわゆる「カマキリの卵」は「卵鞘(らんしょう)」のことで、中に本当の卵が入っています。「卵鞘(らんしょう)」は、枯葉の裏や木の枝、ススキなどの草の茎、草むらの中、時には壁などでも見つかります。
日本にはいろいろな種類のカマキリがいますが、種類は違っても黄緑や茶色のスタンダードタイプしかいないようです。種類ごとに生息場所や産卵場所に違いがあります。また、海外にはハナカマキリなど珍しい種類のカマキリもいるようです。
ふう。今回もカマキリについていろいろ詳しく知らべることができました。住宅街であっても、エサになる虫のいそうなスポットを探せば、カマキリが見つかりそうですね。今度は近所の公園の草むらや花の周りなどをよーく観察してみることにします。