妊婦の便秘は水分不足が原因。一日に必要な水分量は?

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妊婦は便秘になりやすいと言いますが、水分不足がその原因のひとつにあげられます。

便秘を防ぎ、毎日のスムーズなお通じのためには、十分な水分補給が大切です。

ところが、妊娠すると様々な理由から妊婦の体は、水分不足になりがちで、そのために便秘で悩む方も多いようです。

そこで、今回は妊婦が水分不足から便秘になる原因や、その解消方法を探っていきたいと思います。

健康な便は70~80%の水分を含んでいる

水分が排便に及ぼす影響は実はとても大きいことをご存知でしたか? 

普通、健康な女性の場合、1日の排便量は150~200g程度。個人差もありますが、バナナ一本分くらいになるようです。

いわゆるバナナのような形状で、表面がなめらかで柔らかいものが健康な便と言われ、70~80%の水分を含んでいます。

便に含まれる水分がこれ以上になると、便は柔らかになりすぎて下痢状になります。

その逆で、水分がそれ以下になると、便はだんだんと硬くなり、便秘と呼ばれる状態になります。

便に含まれる水分量別に見た便の状態 

<水分:60%以下>


色は黒に近い茶色。うさぎのフンのようにコロコロした状態や、細長くてカチコチの状態。
スムーズに排便することができず、残便感がある。

<水分:60~70%>

色はこげ茶。
ソーセージくらいの太さで、硬め、水分が足りないため便の表面にヒビ割れが見られる。
さらに硬くなると、短く切れ目が入るようになり、排便時にいきむ必要がある。

<水分:70~80%>


色は明るい茶色。
バナナ状、あるいはへびのようにとぐろが巻ける状態。
やわらかく表面はなめらかである。
排便はスムーズで、ストンと出ることが多い。排便後はスッキリ感がある。

<水分:80~90%>

色は黄土色から黄色。
やわらかく、形状を保つことができない状態からドロドロの便まで。

以上のに、便に含まれる水分量が変わると、便の形状は大きく変わってきます。そして、便に含まれる水分が減ると、便は硬く小さくなり、腸に停滞しやすくなるのです。

また、水分が腸に吸い取られた後の硬い便は、排泄の際にもスムーズに出なくなりますし、無理に排泄しようとすると痔になることもありますので、要注意です。

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妊婦の水分不足が便秘を引き起こす理由


妊婦の水分不足が便秘を引き起こす理由のひとつは、上記でわかるように便に含まれる水分が減ることで、便が硬くなり、腸内をスムーズに移動しにくくなる、また排泄しにくくなることにあります。

では、何故、便に含まれる水分が減ってしまうのでしょう。

それは、体が十分な量の水分を摂取できていないか、体から大量の水分が奪われたかのいずれかの理由で、体内に必要な水分量を確保できてないからです。

体内の水分が不足すると、腸は、水分を体に確保しようとして、食べカスに含まれる水分をギリギリまで吸収しようとします。

そのために、通常であれば、便に含まれるべき水分が不足し、便が硬く小さくなってしまうのです。ウサギのようなコロコロうんちがまさにそれで、毎日お通じがあっても、そのような便は便秘の一種なのです。

また、便のかさを増し、腸内の蠕動運動を活発化させると言われている食物繊維も、その役目を果たすには、十分な水分が必要です。

不溶性の食物繊維は、水分を含むことで、かさを増し、腸の動きを活性化することができるのです。ですから、水分が不足した状態ではその役目を果たすことができません。

以上のことから、スムーズなお通じのためには、十分な水分の補給が必要なことがわかります。

妊婦が水分不足になる理由


ただ、座っているだけ、寝ているだけでも、私たちの体から、水分は排出されています。尿を始め、汗や呼吸となって排出される水分は、1日に約2.5リットルとも言われます。

さらに、妊娠時には、以下に紹介する様々な理由から水分不足になる可能性が妊娠以前よりも高まるので、注意が必要です。

つわりによる食欲減退

体に必要な水分は必ずしも液体での補給だけとは限りません。1日に必要な水分のうち、1リットル弱の水分は食事から摂取されています。

ところが、妊娠初期はつわりのせいで、食欲が減退し、食事量が極端に減ってしまう妊婦も多くいます。つわりがひどい人になると、ほとんど何も食べられないということもあります。

そのため、本来食事から摂取できるはずの水分が十分に補給されず、水分不足に陥ってしまう可能性が高いのです。

食事の量が著しく減った場合には、意識して、水を飲むことが必要になってきます。

つわりによる嘔吐からの脱水症状

つわりで吐き気を催すだけなく、実際に嘔吐してしまう妊婦も多くいます。嘔吐を何度も繰り返すと、体から急激に大量の水分が排出されてしまうので、要注意!

このような時には、意識して、水分を補給しないと、最悪の場合、脱水症状を起こすことも考えられます。

つわりがあまりにもひどく水も飲めない場合には、危険ですので、産院に相談しましょう。場合によっては点滴で水分を補給したり、入院を促されたりすることもあります。

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赤ちゃんのために普段以上の水分が必要

妊娠している女性の場合、自分の体だけでなく、子宮の中の赤ちゃんにも養分や水分を届けねばなりません。そのため、通常以上の水分が必要になります。

また、子宮は羊水で満たされており、そのためにも大量の水分が必要です。

さらに、赤ちゃんに栄養を届けるために、妊婦の体の血液循環は通常より増えています。そのために、より多くの血液が必要となるために、体の水分が使われることになります。

赤ちゃんが必要とする水分は初期よりも中期、中期よりも後期と、徐々に増えていきます。そのため、後期には、お母さんが摂取した水分のかなりの量が赤ちゃんのために使われ、母体自身の水分が不足する状況が起こりがちです。

妊婦は汗をかきやすくなっている

妊娠すると、上半身が熱っぽく感じる、汗をよくかくようになったと感じる人も多いのでしょうはないでしょうか?

妊娠すると、妊婦の体は、赤ちゃんのために脂肪をつけようとします。脂肪は体温を保持しやすいので、体が熱くなったと感じる人が多いのでしょう。

また、母乳を作るための準備として、乳腺の血液の循環が活発になります。その部分の代謝が活発になっているために、体温があがり、汗をかきやすくなっています。

ですので、汗をかきやすくなるのは、妊婦の体の変化としては当然のことなのですが、汗をかいたらその分、水分補給してあげることも忘れないようにしましょう。

妊婦は頻尿を気にして、水分を控える

中期から後期にかけて、徐々に子宮が大きくなるにつれ、他の臓器は子宮に圧迫されるようになります。膀胱も圧迫されるので、頻尿の症状に悩む妊婦も多くいます。

夜中にトイレに行きたくなって何度も目が覚めたり、くしゃみなどのちょっとした刺激で尿漏れしたりするのを避けるため、水分を取るのを避ける妊婦も出てきます。

けれども妊婦が、頻尿を気にするあまりに水分を控えるのは、おすすめできません。妊娠中の女性の体は、普段以上に水分が必要です。

赤ちゃんにも十分な水分が必要ですし、水分不足から、便秘など自身の健康も損ないかねません。

妊婦が頻尿になるのは、ある意味仕方ないことです。小まめにトレイに行ったり、生理用ナプキンを使用したりするなどして対応していくしかありません。

妊婦はむくみを気にして水分を取らない

水分の取りすぎはむくみにつながる、そう思っている女性は多いと思います。

妊娠中期になると、血液循環が活発になり、血液量も以前に比べると増えますので、体内の水分量が多くなっています。そのため妊娠以前よりもむくみやすい状態になってしまっています。

しかし、だからといって、妊婦が水分を控えることは逆効果になりかねません。

妊娠中は、妊娠以前に比べて水分が必要な時期ですし、必要な水分が不足すると、かえって、体は水分を維持しようとして、体内に水分を溜め込むことになります。それが体内の水分不足にもつながるのです。

妊娠中はある程度のむくみは仕方ないものです。とはいえ、水分の取りすぎはやはりよくありませんので、適量の水分補給が理想です。

また、むくみがあまりにもひどいようでしたら、他の病気も疑われますので、産院に相談したほうがよいでしょう。

妊娠中の女性が1日に必要とする水分量

妊娠中の女性の場合は、普段にも増して水分不足になる要素がたくさんあることがわかりました。ですから、妊娠中は、妊娠以前にも増して、水分補給を心がける必要があります。

そして、十分な水分補給は、便秘を防ぐためにも有効な手段です。

ただし、水分は取れば取るだけ良いというものでもなく、取りすぎも健康を害する可能性がありますので、適量を補給することが大切です。

では、妊婦の場合、1日にどのくらいの量の水分を補給する必要があるのでしょうか?

通常、成人女性が1日に必要とする水分は、2~2.5リットルと言われています。ただし、これらすべてを水などの飲み物で摂取する必要はありません。

食事からも水分は補給されており、その量は1日に約1リットル弱と言われます。ですので、その残りの1~1.5リットルを飲み物の形で摂取すればよいのです。

妊婦の場合は、赤ちゃんための羊水や血液補給のために必要な水分量が増えますので、通常必要な量よりも少し多めの摂取が必要です。だいたい、1日に2リットル程度の水分補給を目指していきましょう。

また一気に大量の水分を補給するのではなく、コップ1杯くらいの水をこまめにとるよう心掛けましょう。特に夏は脱水症状を起こしやすいですから、注意が必要です。

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妊婦の水分補給に適した飲み物は?

先に見たように、妊婦が1日に必要な水分補給量は約2リットルです。

では、妊婦の水分補給としては、どんな飲み物を摂取すればいいのでしょうか?

水分といっても、いろいろな飲み物があります。以下、妊婦に適した飲み物、適さない飲み物を見てみましょう。

妊婦の水分補給に適さない飲み物

アルコール飲料
コーヒー、紅茶、日本茶などのカフェインを含む飲み物
市販のジュース
炭酸飲料
冷たい飲み物

アルコール類

もっとも避けたいのは、当然のことならがアルコール類。

アルコールは赤ちゃんの発育障害などを引き起こす可能性があるため、妊娠がわかった時点で控えるようにしたいもの。どうしても、飲みたくなったらノンアルコール飲料で代用するようにしましょう。

カフェイン入り飲料

コーヒー、紅茶などのカフェイン入りの飲料も妊婦にはあまりおすすめできません。

カフェインは利尿作用もあり、体の水分を必要以上に排出するおそれもあります。

また赤ちゃんにとっても、カフェインの刺激はよくありません。

また、日本茶も実はカフェイン飲料です。
妊娠中はこれらのカフェイン飲料はできるだけ控えたいものです。

市販のジュース・炭酸飲料

市販のジュースや炭酸飲料なども、妊婦にはおすすめできません。

これらは、ハイカロリーで、糖分がかなり多く含まれており、体重コントロールが必要な妊婦の飲み物としては控えるべき飲み物の一つです。

しかしながら、無糖の炭酸水は人によっては便秘を解消する作用も期待できますので、試してみるのも良いかもしれません。

冷たい飲料

また、妊娠中の女性は冷えに注意することが必要ですから、氷入りの冷たい飲み物も控えた方がよいでしょう。

特に夏は、無意識に冷たい飲み物を大量にとりがちですので気をつけましょう。

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妊婦の水分補給に適した飲み物

水(常温)
お湯

妊婦が安心して摂取できるのは、お水です。

ただし、冷蔵庫で冷やしたものはお腹を冷やしてしまいますので、常温か、人肌程度の温度のものがおすすめです。

オリゴ糖プラスで便秘解消効果


水分補給にプラスして、オリゴ糖を一緒に摂ることで、便秘解消効果をアップすることができます。水やお湯に溶かして飲むこともできますし、ヨーグルトなどに混ぜたり、熱に強いので料理に混ぜ込んだりしても大丈夫です。

粉末状でほんのり甘いものなので、つわり時期でも難なく摂取しやすいです。

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妊婦の水分補給のタイミング

1日に2ルットルの水分が必要だからといって、それを一気にがぶ飲みするのはよくありません。

特に食事の直前や直後に大量に水分を取ると、胃酸が薄くなり、食欲低下や消化不良を引き起こします。

ですから、理想的な飲み方は、コップ一杯程度の水を食事の直前や直後を避けて1日に何回かに分けて飲む方法です。

例えば
朝起きて1杯、寝る前に1杯
3食の食事の30分くらい前に毎回1杯
食後2時間後くらいに1杯
入浴の前後に1杯ずつ
運動の前後に1杯

このように、こまめに水分を摂取することが理想です。特に、入浴や運動、睡眠中は、汗をかくことが多いので、必ず前後に水分を補給してあげましょう。

また、つわりがひどく、食事量がかなり減っている時や、嘔吐が激しい時は、上記に関わらず出来る限り水分補給してあげることが必要です。

母体が脱水症状を起こせば、その影響は赤ちゃんにも及びます。また、慢性的な水分不足は、便秘を引き起こす原因にもなります。

ぴったり2リットル測って飲む必要はありませんが、普段の3割増し、4割増しの水分を摂取するつもりで、意識して水分を補給するように心がけましょう。

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妊婦の便秘は水分不足が原因。一日に必要な水分量は? まとめ


妊娠すると、体は、通常以上の水分を必要とします。にも関わらず、妊婦はつわりや、体の変化から水分不足になりやすい状況に置かれています。

そのために、普段は便秘にならないという女性でも、妊娠後に便秘になったり、もともと便秘気味だった女性は、さらに便秘が悪化したりしがちです。

快適なお通じのためには、十分な水分補給は欠かせません。

妊娠中の便秘を予防、解消するためにも、妊婦はいつも以上に意識して水分補給することが必要になってきます。

また、水分補給にプラスして、オリゴ糖を摂取することで、便秘解消効果をアップすることができます。

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