先取り学習のメリットってあるのでしょうか?
どこまで先取り学習をしていると優秀なのでしょうか?
子供の家庭学習の在り方を考えていると、先取り学習をどこまでするか?は悩みどころになります。
我が家の場合、長女は現在、国立小学校の一年生ですが、そんなにガツガツと先取り学習はしていませんが、算数であればかけ算とあまりの出ないわり算くらいはできるようになっています。かけ算・わり算の基礎的な部分です。
そして、長女のクラスメートの話を聞くと、先取り学習をしていない子もいれば、すでに小学三年四年レベルの算数をやっている子もいるようです。
では、先取り学習のメリットやどこまでやれば良いのか、私なりの考えを書いていきたいと思います。
先取り学習とは?
先取り学習とは、学校教育において、現状学ぶべきことよりも先に進んで学習をしている、ことです。
そして、先取り学習と一言で言っても、その程度は人それぞれです。学校の授業よりも、一単元先を先取り学習している人もいれば、一学年先二学年先を先取り学習している人もいます。
さらに、小学一年生で中学生レベルの数学を先取り学習している人もいます。
先取り学習のメリットは?
先取り学習を行うメリットはどんなことがあるでしょうか?
学校の授業に余裕を持って取り組める
先取り学習をしていると、学校の授業に気持ち的に余裕を持って取り組むことができます。初めて聞くことではないので、基本的なことはスムーズに理解できるしょう。そのため、細かいことまで集中して取り組むことができます。
例えば、簡単な一桁のたし算。式を見てすぐに答えは分かるかもしれません。けれど、解の導き方は先生によって異なるかもしれません。どのように解を導き出すのか、そこまでしっかりと理解する余裕があると、より授業内容を活かすことができます。
学校の授業の定着度が上がる
先取り学習をしていることで、学校の授業で習う内容の定着率が上がります。エビングハウスの忘却曲線によると、人は新たなことを学んでから、一日後には66%忘れ、一ヶ月後には79%忘れるそうです。人は一度学んでも忘れてしまうものなのです。
しかし、先取り学習をしていることで、学校の授業は新たな学習内容ではなくなるため、定着率を上げることができるのです。さらに、復習をすれば、定着率をもっと上げることができます。
もちろん、学校の授業内容をしっかりと聞いていることが前提です。「もう知っていること」と授業を聞かなければ、さらに忘却率は高まりますから、先取り学習の意味もなくなってしまいます。
自信が持てる
先取り学習を行うことで、自信につなげることができます。学校の授業でこれから習うことをすでに知っている、理解している、ということは、子供にとって大きな自信になります。
自信を持って授業に取り組むことで、気持ちに余裕も生まれますし、理解力も高まります。溢れる自信から、発言も多くなるかもしれません。
ただし、過信は禁物です。
応用問題に取り組む時間が持てる
先取り学習を行うことで、応用問題に取り組む時間が持てます。学校の教科書にはそれほど難度の高い応用問題は載っていません。けれども、全国レベルの学力テストなどを受けると、小学一年生レベルでも非常に難度の高い問題がたくさんあります。
先取り学習で基本的なことを先に学んでいることで、応用問題に取り組む余裕が持てるようになります。
先取り学習はどこまでやれば優秀?
先取り学習は、どこまでやっていると優秀なのでしょうか?
小学一年生なのに、すでに四年生五年生の先取り学習をしている子がいると、優秀な子だと思いがちですが、果たしてそうなのでしょうか?
一学年先くらいで良い
先取り学習は、やっても一学年先くらいで良いんじゃないかな、と個人的には感じます。必ずやらないといけないものでもないし、もっと進めても良いのですが、長女の様子を見ていると教科書レベルのものを一学年先くらいでちょうど良いのかな、と感じています。今のところ。
そして、応用問題までガッツリと先取り学習するのはちょっと難しいです。先取り学習では教科書レベル、学校の授業で習った時にしっかりと定着するように復習と応用問題に取り組んでいます。
応用問題は、難易度が高いものはいくらでもあります。最レべやそれ以上も解けるようにしておきたい、と思うと、先取り学習ばかりに時間は割けないんですよね。
あと、まわりの子を見ていると、先取り学習をしている子は多いです。小学二年生でかけ算をやる頃には、みんな九九を覚えている状態のようです。なので、全く先取り学習をしないというのも、子供が大変になるかな、と感じています。我が家の場合ですが。
あまりに先に進んでも大きな意味はない
先取り学習は、どんどん先に進もうと思えば進めます。けれども、あまりに先に進んでも大きな意味はないように感じています。
例えば、算数・数学に非常に興味を示して、自らどんどん学習していくのであれば、それはそれで良いと思うのです。学者になるような天才的な頭脳の持ち主なのかもしれませんしね。
でもそうでないのであれば、小学低学年で中学生レベルのことまで先取り学習する必要はないように感じます。教科書レベルのことをサラッと解けたからと言って、次々と先取り学習していっては深い理解ができません。
もっと難度の高い応用問題に取り組んで思考力を高めるとか、理論的に説明できる力を養うとか、他に時間を使った方が賢明に感じます。小学一年生ならば、一年生の時に養った方が良い能力はいろいろとあります。先取り学習だけが素晴らしいことではないのです。
先取り学習と優秀さはあまり関係ない
先取り学習と言っても、どの程度の学習かは分からないんですよね。教科書レベルの基本的なことをサラッと進めているだけなのか、応用問題も完璧で理論的なことも理解して進めているのか、中身は全然違います。
そして、何年先の学習内容にしても、いずれ学校の授業で学ぶことなのです。そんなに慌てて先取り学習を進める意義はあるのかな、と疑問にも思えるのです。けれども、子供本人が望むならば、どんどん先取り学習を進めても良いとも思うのです。
つまりは、その子に合った学習進度ならば先取り学習をどんどん進めても悪くないと思うのですが、優秀かどうかと言ったらそれは一概には言えない、と思うのです。
だから、小学一年生で小学三年四年生レベルの先取り学習をしているからと言って、その子が優秀かどうかなんて、それだけでは判断はできないのです。
間違えた先取り学習方法
先取り学習をしていく中で、これだけは間違えてはいけない、ということがあります。
考え方はそれぞれですが、我が家の方針、そして常日頃から長女に言っていることをお伝えしたいと思います。
実力を過信してはいけない
先取り学習をしていると、学校の授業で習う時にはすでに知っている状態となります。他の子よりもちょっと先に知っているだけなのに、自分は賢い、と過信してしまうと悪い方に向きやすいです。
もし、教科書レベルのことをどんどん先取り学習をすることが優秀だと勘違いしているならば、それは絶対に違います。そういう思いで親が子供に先取り学習をさせていると、子供は勘違いをして、後々つまずきやすいです。
学校の授業を疎かにしてはいけない
先取り学習を進めていて、もう知っているからと授業を聞かなくなるのは最悪な状態です。
先取り学習で一度学んだことでも、すでに忘れてしまっていることもありますし、先取り学習ではやらなかったことを授業でやることもあります。同じことでも、違うやり方や考え方を教えてくれるかもしれません。
学校の授業は基本であり、重要なものです。先取り学習をしていても過信することなく、授業に面白さを感じて、真剣に取り組むことが大切です。先取り学習をしているからこそ、余裕を持って授業に取り組める、それだけのことなのです。
応用力をしっかりと養わないといけない
先取り学習というと、計算問題や漢字に力を入れる子が多い気がします。また、教科書レベルの内容をサラッとどんどん進めていく子も多い気がします。
しかしながら、基礎的なことはガッチリと抑えなければなりませんし、応用力はしっかりと養わなければなりません。例えば、ひっ算のやり方が分かった、というのと、間違えずに計算できるまで定着した、応用問題にも使うことができるようになった、というのはレベルが違います。
教科書に載っていない難度の高い応用問題はいくらでもあるのです。しっかりと応用力を養っていかなければ、いくら先取り学習を進めても最終的には大した学力は身につかないのです。
先取り学習のメリットは?どこまでやれば優秀? まとめ
先取り学習にはいくつものメリットがあります。先に知っておくことで、学校の授業に余裕を持って取り組めますし、定着率を高め、応用力を養う時間が取れます。また、自信もつくでしょう。
しかしながら、先取り学習を進めることが、優秀な訳ではありません。どんどん先取り学習を進めることで、自分は賢い、と過信してしまうと後々つまずきやすくなります。
先取り学習を進めるだけでなく、しっかりと応用力をつけていくことが大切です。