先取り学習をしていれば、東大に行ける!なんて、信じている人もいるんですよね。
ハッキリ言います。
先取り学習=東大合格、なんてあり得ません。
東大合格者の中に、先取り学習に力を入れていた人が多いのは事実でしょうが、先取り学習をしていた結果が必ずしも東大合格に結びつく訳ではないですよね。それは、東大合格者の利用割合が多いと言われている、公文でも、Z会でもそうです。
東大に行くためには、先取り学習以外にも必要なことってたくさんあるのです。
この記事に書いてあること
先取り学習していれば優秀なの?
先取り学習をしていると、それだけで、“優秀”と思われることがあります。もう、それ自体が間違いです。
まず、先取り学習と一言に言っても、その中身は個人差が大きく、本当にそれぞれなのです。
一般的な教科書レベルをサラッと先取り学習する程度の人もいれば、難度の高い応用問題までしっかりとこなして先取り学習をしている人もいます。それだけでも大きな差です。
そして、各学年で指導要項があります。それは、各年齢で学ぶべきことや適性事項というものがあるからです。脳年齢が未熟なうちに、何年も先の学習を強いても無理があるのです。その年齢になればすぐに理解できるものが、先取り学習では歯が立たない、ということもあるのです。
例えば、計算問題や漢字だけをどんどん先取り学習をしていくと、偏りが出てしまったり、先取り学習の弊害が生じたり、とマイナス面が目立ってしまうことがあるのです。けれども、子供本人が興味を強く持つことならば、どんどん先取り学習をしても良いと思うのです。
それから、先取り学習をするということは、少しだけ他の子よりも先に学ぶ、ということだけで、いずれはみんなが学校で学ぶことです。先取り学習をしているから優秀、していないから優秀ではない、という問題ではないんですよね。
結果として、優秀な子は、先取り学習をしていた割合が高い、ということは言えるかもしれませんが、先取り学習を一切していない子の中にも優秀な子はたくさんいるのです。
公文で先取り学習すれば東大?
「東大合格者の中に公文経験者が多い」とよく聞きますよね。じゃあ、「公文をやっていれば、東大に行ける」と思い込むのは非常に滑稽です。そんなこと思う人いないでしょ?と思うかもしれませんが、意外と多いんですよ。
口に出して言わないまでも、在籍学年以上に進んでいくと、「もしかして、うちの子は天才?」と思ってしまうのが親心!? まあ、徐々に子供の実力が分かってきて、現実に戻るんでしょうけど、一部のママさんは、<公文=東大>と思い込んでいるようです。
そして、公文の弊害というのもあるのです。公文は、算数で言うと、膨大な計算プリントをひたすらこなしていくのです。先取り学習と言っても、非常に偏った内容で、計算が早くなるとか、計算に強くなるとか言われていますが、その反面、思考力が養われません。
単純な計算問題だけできても、十分ではないですよね。応用力も必要ですし、思考力も必要です。物事を理路整然と説明する能力も必要です。公文をやりつつ、他の面もしっかりと養っていくのであれば良いのですが、公文だけに頼っていても東大には行けないのです。
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Z会で先取り学習すれば東大?
「東大合格者の2人に1人はZ会会員」と言われていますが、Z会をやっていれば東大に入れるのでしょうか? これも公文と同じ答えです。Z会をやっているだけで、東大に行けるなんてことはあり得ません。
また、Z会をやっていると一言に言っても、ただ入会しているだけなのか、隅々までしっかりと学習してすべてを習得しているのか、全く異なることですよね。そして、毎日コツコツとやる学習習慣がついているのか、月末にまとめてこなしているだけなのか、これも大きな違いです。
そもそも東大合格者の2人に1人はZ会会員ということ自体が本当なのかよく分かりませんが、もしそうだとして、彼らは学習方法の一つとしてZ会を取り入れているだけで、他のこともいろいろとやっているでしょう。
そして、数ある通信教育の中でZ会が選ばれているのは、比較的難易度が高い教材が揃っているからだと思います。Z会に入会したから東大に行けたのではなく、東大に行った人の半数がZ会員だったという結果論に過ぎないのです。
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東大に行くために先取り学習以外で必要なこと
東大に行くために先取り学習以外で必要なことは何でしょうか?
一概にコレとコレとコレ、と具体的かつ明確に説明することはできませんが、今、思いつく範囲で書いてみたいと思います。何かのヒントになるでしょうか。
自ら学ぶ姿勢や探求心
自ら学ぶ姿勢や探求心というのは、最低限必要なことだと思います。東大に限らず、四年制大学を目指すならば、自ら学ぶ姿勢や何かに対しての探求心がなければならないと思います。
大学は、中学・高校(普通科)までのような授業とは異なります。各人が志望する専門分野について、自ら研究していく機関です。しかも大学を受験する時点で、何を専門にするかを決めないといけないのです。
そのため、小学生の頃から、しっかりと自ら学ぶことや探求心を養うような経験をさせることが必要なのです。東大生の中には、何かについて非常に詳しい人が多いです。漢字でも国名でも天体でも何でも良いのですが、子供が興味を持ったことについてとことん追究させるのは良い経験になります。
論理的思考力
論理的思考力(ロジカルシンキング)は、「一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方(Wikipediaより)」のことです。昨今、非常に重要視されている能力の一つです。
また2020年より、小学校教育の中にプログラミングの授業が入ってきますが、プログラミングと論理的思考には、一定の相関関係があるとも言われています。小学生より、論理的思考力を養っていくことが、将来につながる大切なことの一つなのです。
我が家の場合は、一つの方法として論理的思考力を養う問題集を取り入れています。問題によっては、ゲーム感覚で取り組めるので楽しめるようです。
問題解決力
理論的思考力とつながってもきますが、問題解決能力を磨くことも大切です。あらゆる事柄から、問題となることを抽出し、解決策を見出し、実際に解決をする、一連の能力がある人は非常に強いです。
小学生が問題解決能力を磨くには、一つは学校の授業をしっかりと聞くこと。そして、学校ではやらないような応用問題までもしっかりと習得すること。これは、問題解決力を高めるための引き出しを増やす作業です。応用力は高いほど良いです。
そして、夏休みに課題として出る理科や算数などの自由研究に取り組むこともおすすめです。自ら問題意識をもって、それを解決するための道筋を考えたり研究したりして、最後はレポートとしてまとめます。
こういう経験を重ねていくと、自然と大学での研究テーマも決まってくるような気がします。
学力を高めておくことは第一条件
東大に行くには先取り学習だけではなく、必要とされる能力を持ち合わせていなければなりません。
そして、絶対的に重要となるのは、学力の高さです。日本最高峰となる大学ですから、当然、学力が低ければ行くことはできません。常に学力を高める努力は必要です。そのための一つのツールとして既出の公文やZ会があるのでしょう。
またどんな教材を使おうとも、その学年で得られるであろう高い学力を習得する努力は必要です。時折、どん底の成績から、一年の頑張りで東大合格なんていうストーリーも出てきますが、それは例外として捉えておきましょう。
東大に行きたいならば、高い学力は必要です。でもそれは、単なる先取り学習や公文、Z会のみで習得できるレベルではないでしょう。
先取り学習をしていれば東大に行けるって!? まとめ
先取り学習をしていれば東大に行ける、と思い込んでいる人がいます。また、公文やZ会も同様で、公文をやれば東大に行ける、Z会をやれば東大に行ける、と勘違いしている人もいます。
東大に行くには、高い学力を習得していることがもちろん必要ですが、さらに、自ら学ぶ姿勢や探求心、論理的思考力、問題解決力あたりはしっかりと養っておいた方が良いです。小学生でもそれらを養う手立てはあります。