中学受験予定なら、先取り学習は必須!遅くても四年生までには塾に行かないといけない、なんて言われていますよね。
本当に先取り学習は必要なのでしょうか?必要ならば、いつまでにどれくらい先取り学習を進めておかないといけないのでしょうか?またそれはどうしてでしょうか?
ちなみに、我が家は、国立小学校1年と国立幼稚園年少の姉妹しかいません。中学受験を考える年齢の子はいませんし、ウチの姉妹はほぼ無条件に国立中学校に入学できます。けれども、二人ともに、中学受験に必要な対策(勉強)はさせるつもりです。
というのは、中学受験を経て国立中学校に入学してくる子たちがいるため、その子たちが学んでくることは姉妹にも学ばせておきたい、ということと、小学校ではやらないけれど面白そうな問題に触れさせておきたい、という気持ちがあるからです。
そこで、先輩ママさんたちに聞いた情報を元に、中学受験予定の先取り学習について書いてみようと思います。
この記事に書いてあること
中学受験で必要とされる能力は?
中学受験で必要とされる能力とはどんなものなのでしょうか? 我が家が住む地方都市の受験が必要な中学校は、国立中学校の他、中高一貫の公立中学校と私立中学校が数校あります。
各校の過去問などを見ると、それぞれに特徴がある受験問題になっています。全校に共通して言えることは、一般の小学校で習うことだけでは太刀打ちできない内容であることです。
応用力が求められる
中学受験では、応用力が求められる問題が出ます。一般的な小学校の教科書には載っていないような応用問題です。算数であれば難解な文章問題や特殊算、国語であれば難解な長文読解。記述式問題が多く課される中学校もあります。
応用力を養うようにしっかりと学習しておかないと、試験で点が取れなさそうです。国語、算数、社会、理科と四科目の試験の学校の場合は、それだけ負担も大きくなりますし、子供も大変ですよね。
総合力が求められる
ある学校の中学受験では、国語や算数という科目別の試験問題ではなく、総合問題や適性検査という総合力が試される問題が出ます。国語、算数、社会、理科、それぞれの学力の他、総合的に考えられる力がないと解けないような問題です。
また、記述式の問題もあります。正解が一つではない問題もあり、各人の見解や意見を求められることもありますので、思考力や表現力も必要となってきます。
学校の教科書以外の学習が必要
中学受験では、学校の教科書以外の学習が必要になってきます。一般的な小学校で学ぶのは基礎中の基礎。そこがベースになるのは当然のことながら、それだけでは足りないのが中学受験なんですよね。
中学受験準備では、応用力や総合力を養いながら、思考力や表現力も鍛えないといけません。
先取り学習をしておかないと、中学受験準備ができない
中学受験では、小学校の教科書レベルの問題だけでなく、応用力や総合力が必要とされる問題も出されますし、記述式の問題では思考力や表現力も重要視されます。
中学受験は、小学六年の時に実施されますので、ある程度先取り学習をやっておかないと、中学受験準備をする余裕がなくなります。そのため、中学受験予定の子は先取り学習は必須となってくるのです。
とはいえ、先取り学習ばかりを進めていっても効率良く受験準備ができるとは限りません。小学一年時に小学五、六年生の内容を先取り学習したとしても、本当に理解できるのかは疑問です。公文のように計算ばかりを進めても、本質的な理解ができていないと応用が効きません。
理解力が伴わない先取り学習は、記憶型の学習になりがちです。記憶型の学習をしていると、文章問題が複雑化したり、出題形式が変化したりした途端に全く歯が立たなくなってしまいます。
先取り学習を進めるならば、一~二学年先が適当のように感じます。もちろん、個人差はあります。
その学年の応用力をつけることも重要
中学受験予定者の先取り学習は必須だと思います。しかしながら、先取り学習だけを進めて、その後に中学受験準備をする、というのはちょっと違います。
先取り学習とも言えるんですが、その学年の応用力をつけることも重要なのです。しっかりと、その学年その学年の応用力を磨いていけば、中学受験準備も難なくこなせる可能性が高くなります。
小学低学年は基礎、高学年は応用ではない
よく小学低学年は基礎、高学年は応用、という言われ方をされます。でも、そういう見方もありますが、実はその学年で基礎と応用があるのです。教科書レベルだけだと基礎的なものばかりですが、市販の問題集を見たり、全国レベルの学力テストを受験したりするとよく分かります。
小学一年生でも、国語では長文読解が出ますし、算数では文章問題が出ます。小学校の教科書レベルのことしか学習していなければ、到底解けないような問題が出るのです。けれども、内容は小学一年生のものなのです。
中学受験を予定しているならば、小学低学年からしっかりと応用力を養っていくことをオススメします。そうすることで、高学年で習うことも理解しやすくなりますし、中学受験特有の問題も取り組みやすくなります。
先取り学習はほどほどに、応用力をしっかりとつける
基本的な先取り学習は先述したように1~2年先くらいでちょうど良いと思います。そして、小学低学年のうちは、1~2年先の基本的な先取り学習ならばそれほど苦労せずに進められます。個人差はありますが、数ヶ月で1年分くらいの内容は進められてしまうでしょう。
けれども、それで気を抜いてしまうのは危険です。中学受験では応用力や思考力、表現力が問われる問題がたくさん出題されます。そのため、小学低学年からしっかりと応用問題に取り組んでいかないと、中学受験に間に合わなくなってしまいます。
逆にいえば、小学低学年からしっかりと応用力を鍛えていっていれば、本格的な中学受験準備のスタートが遅くても間に合うのです。
小学三年生くらいまで教科書レベルの基礎的なことしかしていなくて、小学四年生になって中学受験準備をスタート。その時点から小学低学年レベルの応用問題からやるというのは無駄が大きいのです。
算数の特殊算は暗記するものではない
中学受験準備というと、算数の特殊算がよく出てきます。中学受験をしないのであれば学ぶことがない計算方法。中学になれば方程式を使って解けるものばかりだから意味がない。
本当にそうでしょうか?
特殊算のほとんどは、図を書いて、足したり引いたりかけたり割ったりすることで解を求めます。確かに、中学になれば方程式を学びますので、簡単に解ける手段を学び得ることはできます。
けれども、その解を求める時に鍛えられるであろう思考力や観点というのは非常に大切だと思います。ただ単に解ければ良い、ということではないのです。今ある手段で、問題を解決する方法を探し出す、というのは貴重な経験なのです。
それから、特殊算は20~30種類あると言われていますが、一つひとつを暗記するものと思っていたらそれは大間違いです。説明しやすいように一つひとつに名称がついていますが、○○算の○○なんて覚える必要はないのです。
どんな問題を見ても、今ある手段で答えを導き出せるように鍛えれば良いのです。○○算なんて名称がついているから、必要以上に難しく感じ、特別な扱いをしてしまう気もします。
実は、特殊算の中には、小学低学年の学習範囲で解答できるようなものもあるのです。一年生のうちからしっかりと応用力をつけていっていれば、中学受験準備で苦労しなくても済むことがたくさんあるのです。
記述式問題は書き方を練習するものではない
中学受験では、記述式問題もよく出ます。算数も国語も理科も社会も。総合問題や適性検査でも。小学校の教科書レベル学習だけでは、なかなか記述式問題には強くなりません。
そして、記述式問題をできるようにするには、文章の書き方の練習をするだけでは足りないのです。解答としてどうまとめるか、の練習は大切ではあるのですが、それ以前に、何を書くか、何を書けば良いか、頭の中でまとめられる力がないと記述式問題は解けないです。
そのため、中学受験で通用するためには、思考力や表現力をしっかりと磨いておくことが重要です。それが基礎になります。
小学低学年から読解問題に慣れ親しんでおく
小学低学年でも、最レべやトップクラスなどのレベルの高い国語の問題集には、結構な文章量の長文読解が出題されています。記述式の設問も多いです。小学校では出題されないようなものですが、家庭学習でこのレベルを解き続けていると、思考力が高まり記述式問題に強くなります。
また、読解問題に強いということは、文章を読み解く力がついていることになりますから、算数の文章問題にも強くなってきます。
視点や観点を多様化しておく
記述式問題に強くなるには、視点や観点を多様化しておくことが大切です。
そのためには、様々な経験をすることがオススメです。学習面だけでなく、運動や遊びでも良いのです。様々な分野の読書から疑似体験をしても良いですし、遊びや旅行など通して何かを体験するのも良いと思います。
また、小学低学年のうちから、理科研究や自由研究、読書感想文などに挑戦していると、思考力や表現力が鍛えられます。何度も経験することで能力はアップしていきますので、夏休みなどの長期休暇には普段取り組めないことにチャンレンジすると良いと思います。
様々なテーマに触れておく
最近は、子供だけでなく大人でさえ新聞離れが進んでいます。かく言う私も、一応新聞はとっていて毎日目は通していますが、情報源として活用しているのはネットのニュースサイトなどであることが多いです。
その手段は何でも良いのですが、子供に様々なテーマを提供してあげることも大切です。時事問題や環境問題、身近なニュースでも良いのです。何かをテーマにして、親子で話し合ってみたり、子供の意見を聞いてみたり、普段からそういう時間を持っておくと良いです。
子供の興味関心を広げ、思考し、発言する、そんな経験がとても重要です。
中学受験予定なら先取り学習は必須!?それはどうして? まとめ
中学受験予定ならば先取り学習は必須になります。しかし、その年齢に合わせた理解力というものがありますから、1~2年先の先取り学習程度で良いと思います。
また、その学年その学年で教科書レベルの問題だけでなく、応用問題にもしっかりと取り組んでおくことをオススメします。同時に、思考力や表現力を鍛えるために、小学低学年のうちから、理科研究や自由研究、読書感想文などに挑戦することもオススメです。
そして、小学低学年から家庭学習を定着させていけば、中学受験準備もスムーズに取り組めます。いきなり、小学四年生くらいから中学受験対策塾に通い始めても、応用力や総合力、思考力、表現力が不足し、後に続かない記憶型の学習になりがちです。