国立小学校受験問題、実際にはどんなものが出るのでしょうか?
まず、国立小学校は全国に70校以上あります。出題される内容は各国立小学校で異なりますので、希望する国立小学校の過去問題を手に入れて、問題傾向や形式を把握することが非常に重要です。
しかしながら、小学校受験で出るような問題はほぼ決まっています。
ここでは、我が家の長女が受験した経験を含めて、実際に国立小学校で出される問題について触れたいと思います。
この記事に書いてあること
国立小学校受験、実際にはどんな問題が出るの?
国立小学校受験、実際に出される問題は各国立小学校によって多少異なると思いますので、まずは、受験校の過去問題を見ることが重要です。
ほとんどの国立小学校の過去問題はネットで購入ができます。
我が家も、長女の国立小学校の受験を決めてすぐに過去問題を楽天ブックで購入しました。過去3年分の過去問題があるので、それを見て、問題傾向や形式を把握しました。そして、同時に、対策すべきことを、当時の長女の実力を照らし合わせて考えました。
国立小学校受験で出題されるような内容は、大きく分けて、ペーパー試験、口頭試問、面接、体操、行動観察です。
↓ 全国の国立大学附属小学校の過去問題集があります! ↓
ペーパー試験
ペーパー試験は、いわゆるプリントによる試験です。
国立小学校受験では、ペーパー試験を課すところと課さないところがあります。でも、ペーパー対策は、実際にペーパー試験がない国立小学校でも対策(練習)は必要です。
長女が受験した国立小学校ではペーパー試験はありませんでした。ですが、口頭試問で同様の問題を多数出題されましたので、口頭試問で問われる内容をまずはペーパーでこなす、ということも大切なのです。
すべて口頭で練習するよりも、プリントを使って枚数をこなす、実際に書く、ということをすると、理解力や実力が各段にアップします。家庭での受験対策にもおすすめです。
また、ペーパー試験がある国立小学校を受験する場合は、回答の仕方や回答を綺麗に書く練習も必要です。どの程度のものが必要かは、過去問題を見るか、通っている幼児教室やお受験専門塾に確認するのが一番です。
口頭試問
口頭試問はどの国立小学校受験でも課されるでしょうか?
長女が受験した国立小学校の場合は、半分くらいが口頭試問でした。試験官と一対一になって、問題に答えます。問題は、その担当試験官から出されるのもありましたし、その同じ教室(試験場)にした4人に対して、一人の試験官から出されることもありました。
よくペーパー試験で練習するような、「数量」や「系列」、「図形」などの問題を指差しで回答したり、積み木やカードなどを使って回答したりします。ペーパー対策をしっかりとしておいて、当日、試験官の指示に正しく従うことができれば、こなせるでしょう。
また、「お話の記憶」や「言葉」などは、必ずしも回答が一つではないものが多いですし、思考力や想像力が必要となるものです。
「お話の記憶」は、まずはそのお話を集中して聴かないと問いには答えられませんし、問題は回答が一つの物もあれば、「あなたが主人公だったら、何をしますか?」というように自分の考えなどを問われるものもあります。
「言葉」は、「『見る』のように、“る”で終わる動きを表す言葉を思いつくだけ答えてください」というのもあります。食べる、寝る、折る、貼る、切る、入る…などたくさんありますが、問われてパッと答えるのは、大人でも難しいようなものが出たりもします。
面接
国立小学校受験での面接、これは各国立小学校で異なると思いますが、子供本人だけの面接、子と親別々に面接、親子面接など違いがあります。長女が受験した国立小学校の場合は、子供本人だけの面接でした。
聞かれる内容も各国立小学校によって大きく異なりそうです。「志望動機」や「受験校の惹かれる部分」などについて聞かれることもあれば、「今、一番大切にしているものは?」「将来の夢は?」など子供自身について聞かれることもありますし、絵などを見せられて「これは何をしているところ?」と聞かれたりすることもあります。
面接、と一言に言っても、対策すべきことは大きく異なります。まずは、過去問題から出題傾向をつかむことが大切です。
そして、何を聞かれても答えられるように普段から練習していくことが大切なのです。
体操
多くの国立小学校で、体操テストが課されると思います。
長女が受験した国立小学校でも体操テストがありました。ただ、体操着に着替えてやるような内容ではなく、動きやすい服装でできる範囲の物でした。時間制限内でのダッシュやケンケンなど出題数は3題。
中には、熊歩きが必須である国立小学校や、マットでの前転、鉄棒での前回りや逆上がり、ボール投げなど、やや本格的な体操テストが実施される国立小学校もあります。
体操が苦手な子にとってはハードルが高いものもあるでしょうし、美しく見せるための工夫なども必要となることもあるでしょう。体操教室に通って訓練をする子もいるようです。
|
行動観察
小学校受験でキモともなりえる行動観察。数人で何かを成し遂げるものもあれば、自由に遊ぶ中で一人ひとりの行動が評価されることもあります。
行動観察は、練習や訓練も必要ですし有効でもあるのですが、一番素のところが出やすい考査内容だと思います。そのため、取り繕うことが難しいので、行動観察が一番怖い、とも言われます。
国立小学校受験では、短時間に多方向から試される
国立小学校の受験では、短時間に多方向からいろいろと試されます。
長女が受験した国立小学校の場合は、4会場を移動しながらの面接と考査でしたが、全部でかかった時間は1時間もありませんでした。45分程度でしょうか?
そして出題された問題は、全部で25題。同じ分野の物はありません。全部違う分野からの出題です。また、1題あたり、回答の時間制限がありました。結構短いです。しっかりとベースを固めておかないと、回答できないままに時間だけが過ぎ去ってしまいます。
中には、何の受験対策もせずに、国立小学校を受験して合格をする人もいます。けれども、それは普段の生活の中で受験対策に値することを行っていることが多いです。もし、本当に何の対策もせずに、マグレのような状態で合格してしまうと、入学後に苦労しそうです。
国立小学校の受験問題は、対策を行わないと難しい
国立小学校の受験問題は、本当にあらゆる方向から試されるものです。そのため、一通り、受験に出そうな問題は経験しておかないと、回答できずに時間だけが過ぎ去ってしまいます。
国立小学校の受験問題は、ものすごく特殊なものはありませんし、難易度が高いものでもありません。5~6歳の受験対象者に相応しいような内容が出題されるのです。
とはいえ、経験がない問題に答えるというのは難しいです。
そのため、受験対策をしっかりと行うことが大切です。
国立小学校の受験対策は、合格だけが目的?
国立小学校の受験対策、その学校に合格することが目的なのはもちろんですが、それだけではもったいないです。
上っ面な受験対策だけをしていては、受験日当日に咄嗟の判断や行動ができないですし、子供の中に残るものは少ないです。せっかく、時間や費用をかけて受験対策をするのですから、子供の中に残るもの、成長につながるものでなければ、無駄が多くなってしまいます。
そして、上っ面な受験対策だけを一生懸命してきた子と、しっかりと身になる対策をしてきた子では、大きな実力差がついてしまっているのです。
お受験対策塾では一番出来ていて合格確実と言われていた子が不合格だった、落ちると思っていた子が合格だった、よくある話ですね。
お受験では一番優秀だった子が入学後に落ちこぼれていった、合格ギリギリに見えた子が入学後に非常に優秀ということが分かった、なんてこともありますよね。
きっと、上っ面な受験対策をしてきたか、身になる受験対策をしてきたか、この差によるものではないでしょうか?
せっかくなら身になる受験対策を
早い子は、年少さんくらいから、国立小学校の受験対策を始めます。多くの子は1年くらい前から、幼児教室やお受験専門塾通います。実際に、長女が入学してから知ったのですが、ほとんどの子が幼児教室やお受験専門塾に通って受験対策をしていました。
そして、話を聞く限り、ほとんどの子が国立小学校合格だけのためのお受験対策をしてきたのです。幼児教室やお受験専門塾の言いなりになって。
うーん、もったいない!
せっかく、時間や費用、手間をかけて受験対策をするなら、そういうのではなくて、もっと身になることをしてくれば良かったのに。同じ内容でも、ちょっとした違いで、大きな差になるのに。
幼児教室やお受験専門塾に通うことが悪い訳ではないんですよね。受験する国立小学校の出題傾向を的確に掴んで、効率良く受験対策ができるでしょうから、非常に良い場所だとは思うのです。
けれども、出されたものをただこなすだけではなく、自分の中でしっかりと消化することができたら、子供を大きく成長させる機会になります。
国立小学校受験対策で養いたい能力は何?
国立小学校の受験対策で養いたい能力というのは、ただ単に、希望校に合格する術を学ぶ、ということではありません。もちろん、過去問題から問題傾向や形式を掴んで、しっかりと対策をすることは大切です。
でも、Aと聞かれたらB、Cと聞かれたらD、というように、型にはまったことをひたすら覚えたり練習したりすることが受験対策ではありません。Aと聞かれた時に、的確な答えができるようにすること、が重要なのです。
例えば、面接の練習では、「将来の夢は何ですか?」という問いに対して、「パイロットです。それは何故かというと・・・・・・・」と予め用意したセリフを完璧に言えるようにすることが重要なのではありません。
子供が言うことは都度変わります。10日前のことよりも、昨日のことの方が鮮明に頭の中にあります。「桃が好き」と言っていても、10分前に非常においしいイチゴを食べたら、「イチゴが一番好き」になります。
だから、将来の夢も、警察官でも、バスの運転手でも、幼稚園の先生でも何でも良いのです。大切なことは、その理由もしっかりと言えることです。それには、用意したセリフをひたすら覚える練習ではなく、あらゆることを自分の言葉でしっかりと説明できる力を養うことが大切なのです。
行動観察でも、口頭試問でも、同じことが言えます。
咄嗟の判断や行動ができる力を養う
しっかりと身になる国立小学校受験対策をしていると、もし、出題傾向が変わったとしても対応できる能力が身についています。
ですが、AならB、CならD、というような受験対策ばかりを行ってしまっていると、咄嗟の判断や行動ができずに、残念な結果になってしまうことが多いです。
そのため、受験対策で一番重要なのは、自分(子供)の引き出しを増やす、という作業です。実際の出題内容をできるようにすることも大切です。そこにプラスをして、別の方向から問われても答えられるようにしておくことが重要なのです。
国立小学校受験問題、実際には何が出る? まとめ
国立小学校の受験問題は、大きく分けて、ペーパー試験、口頭試問、面接、体操、行動観察と幅広くあります。もちろん、各国立小学校によって、実際の出題内容には差があります。
そして、短い時間の中で、多方向から試されます。ベースをしっかりと作って、咄嗟の判断や行動ができるようにしておかないと、残念な結果になってしまいます。
国立小学校の受験対策は、ただ単に、AならB、CならDという風に問題に答えられるようにするだけでなく、子供の身になるような対策をすることが大切です。